1998: No. 47 [Jan], No. 48 [Mar], No. 49 [May], No. 50 [Jul], No. 51 [Sep], No. 52 [Nov]
1999: No. 53 [Jan], No. 54 [Mar], No. 55 [May], No. 56 [Jul], No. 57 [Sep], No. 58 [Nov]
2000: No. 59 [Jan], No. 60 [Mar], No. 61 [May], No. 62 [Jul], No. 63 [Sep], No. 64 [Nov]
★地磁気センターニュース No.65/2001年1月30 日★ 1.新着地磁気データ 前回ニュース(2000年11月27日発行, No.64)以降入手、または、当センターで入力したデータ の内、主なものは以下のとおりです。(観測所名の省略記号等については、データカタログ (http://swdcdb.kugi.kyoto-u.ac.jp/catmap/obs-j.html) をご参照ください。) Newly Arrived Data (1)Analogue Data Annual Reports and etc.: Finnish Obs.(OUJ, HAN, NUR, SOD, Oct.-Dec. 2000) Dannish Obs.(BFE, GDH, THL, NAQ, 1999), SFS(1998), NGK(Nov.-Dec 2000) EBR(1998), LIV(1999), BMT(1993-95), Australian Obs.(ASP, CNB, CTA, GNA, KDU, LRM, MCA, MAW, CSY, DVS, 1997), ABK,LOV(1999) (2)Digital Data Geomagnetic Hourly Values: (http://swdcdb.kugi.kyoto-u.ac.jp/hyplt/index-j.html) KAK, MMB, KNY, ESA, KNZ, MIZ, LRV, HTY(Nov.-Dec.2000) Geomagnetic 1 Minute Values: (http://swdcdb.kugi.kyoto-u.ac.jp/mdplt/index-j.html) VAL(Nov.-Dec.2000), CMQ, GVA, HON, NEW, SJG, SIT, BSL, DLR, FRN, TUC(1993-98) ARC(1992-95), HBK(1974-94), HER(1974-80), BLC, CBB, FCC(1991-98), GLN(1992-96) HRN(1993,94,97,98), MBC(1991-97), MEA, OTT, RES, STJ, VIC(1991-94, 96-98) IQA(1995-98), LIV(1998-99), PBQ, YKC(1992-94, 96-98) KDK, MMB, KNY(Nov.-Dec.2000), HTY(Nov.-Dec.2000) Geomagnetic 1 Second Values: (http://swdcdb.kugi.kyoto-u.ac.jp/shplt/index-j.html) KAK, MMB, KNY(Nov.-Dec.2000), HTY(Nov.-Dec.2000) (3)Kp index: (http://swdcdb.kugi.kyoto-u.ac.jp/kp/index-j.html) Kp-Index Table(Nov.-Dec.2000) (4)Magnetogram digital image files: (http://swdcdb.kugi.kyoto-u.ac.jp/film/index-j.html) IRT(Normal-run, Oct.-Dec.1999) SVD(Normal-run, 1990-97) 2.一時間値Dst指数の算出と配布・1分値ASY/SYM指数の算出 2000年10 月〜11月のDst指数(Provisional)を算出し、関係機関に配布しました。ご希望の方は、郵便 またはファクシミリにて、京都大学大学院理学研究科地磁気世界資料解析センターまでお申し込み下さい。 なお、Quick Look Dst指数 (http://swdcdb.kugi.kyoto-u.ac.jp/dstdir/)および Quick Look AE指数 (http://swdcdb. kugi.kyoto-u.ac.jp/aedir/ae/quick.html) は2〜3日の遅れで当センターのホームページから利用できます。また、 2000年12月までの1分値ASY/SYM指数を算出しホームページに載せました。 3.地磁気世界資料解析センター活動報告 (1999年1月−12月) 1.データサービス (1)収集・発送(最近5年間) 1996 1997 1998 1999 2000 【収 集】 マイクロフィルム 25本 13本 4本 2本 4本 マイクロフィッシュ 130枚 25枚 200枚 12枚 30枚 データブック 80冊 130冊 80冊 80冊 120冊 データシート 650枚 650枚 720枚 700枚 500枚 磁気テープ 53本 10本 0本 0本 0本 フロッピーディスク 38枚 50枚 36枚 30枚 5枚 光ディスク 7枚 60枚 60枚 30枚 50枚 ネットワーク 1000MB 1000MB 1000MB 1100MB 1200MB 【発 送】 マイクロフィルム 55本 50本 0本 0本 0本 マイクロフィッシュ 0枚 0枚 0枚 0枚 0本 データブック 1031冊 382冊 1700冊 1300冊 700冊 データシート 6549枚 7400枚 3500枚 3500枚 3500枚 ファックス等 36枚 1枚 6枚 8枚 52枚 磁気テープ 1本 0本 0本 0本 0本 フロッピーディスク 128枚 7枚 45枚 0枚 0枚 光ディスク 13枚 26枚 31枚 42枚 154枚 ネットワーク 4200 MB 1900 MB 700 MB 1200 MB 560 MB (ftp,e-mail) WWWホームページ 310000リクエスト 430000リクエスト 850000リクエスト 1840000リクエスト (http://swdcdb.kugi.kyoto-u.ac.jp/) 2100 MB 4700 MB 10600 MB 16500 MB 地磁気データのホームページからのリクエスト件数 地磁気1時間値 547 2043 1509 1131 地磁気1分値 3092 6451 11147 8652 地磁気1秒値 174 2908 1709 16326 (2)印刷・出版 (ア)データブック Mid-latitude Geomagnetic Indices ASY and SYM (Provisional) No.10(1999) Provisional Geomagnetic Data Plots No.20,21 (July 1999 - June 2000) (イ)データシート Provisional Dst Index (November 1999 - November 2000) (ウ)ニュース 地磁気世界資料解析センターニュース (No.59 - No.64) (エ)理科年表磁気図の更新 (3)オンラインデータベース (ア)World Wide Web ホームページの追加と更新 1. 信楽磁場観測データのオンラインリアルタイムマグネトグラムサービス 2. 準リアルタイム地磁気データ表示 国外 20ヶ所 国内 3ヶ所 3. Near-realtime,prov,final Dst表示及びダウンロード 4. Quicklook AE表示及びダウンロード 5. リアルタイムPi2型脈動検出+データ表示(峰山、信楽) 6. アーカイブ地磁気データ(1秒値,1分値,1時間値)のプロットとテキストデータ出力 7. 地磁気AE/ASY/Kp指数のプロットとテキストデータ出力 8. オンラインデータカタログ(自動更新) 9. 国際標準モデル磁場(IGRF2000)の計算・表示 10. 国際標準電離層モデル(IRI90)による電離層電気伝導度 11. オンラインマイクロ画像データサービス 12. データカタログのPDFファイル化とHPからのサービス 13. 観測所年報のPDFファイル化 (イ)データベースの維持・更新・追加 地磁気データベース‘GEOMAG’ WDC地磁気データベース’WDC−GEOMAG’ (4)人工衛星による磁場観測データの収集 2.ICSU/WDC関連 (1)All WDC Conference(米国)出席(荒木、家森),データセンターの協力、システム向上について 議論。 (2)WDC for Geomagnetism, Bombayと協力 (3)WDC for Geophysics (China)と協力 3.SRAMP関連 SRAMP(STEP Results, Analysis and Modeling Phase)活動 1st S-RAMP Conference(10月2日−6日、札幌)(LOC Chair:荒木、member:家森) 4.その他のプロジェクト (1)AE指数、Dst指数、ASY指数の算出 (2)国際プロジェクトへの参加 INTERMAGNET PURAES(Project for Upgrading Russian AE Stations)立ち上げ(10月札幌) (3)衛星磁場観測プロジェクトへの参加 GEOTAIL Oersted のぞみ(PLANET-B) 5.来訪者 国外 計8名 (計5ヶ国) R.Girdler(Univ. of Newcastle upon Tyne, イギリス) V.R.Hobson, J.H.Sastri(IIP, インド) 宋彦云、楊福喜(中国地震局)、H.Petchek(アメリカ) M.Barabak(スウェーデン)、P.Stauning(DMI, デンマーク) 国内 計3名 (芳名録記帳者のみ) 仲居博之、磯部博子(建設省国土地理院 鹿野山測地観測所) 西田篤弘(日本学術振興会) 6.研究・開発 (1)研究 内容: 家森 磁気圏電流およびMHD波動の研究 太陽風−磁気圏相互作用の研究 亀井 地磁気指数の研究 上部電離層磁場構造の研究 竹田 地磁気Sq場の研究 地球内部誘導電流の研究 (荒木) 磁気圏・電離層・地球系の非定常応答の研究 磁気圏・電離圏の電流構造の研究 論文発表数: 学術雑誌掲載 計 2 篇、 Proceedings等 計 2 篇 (2)磁場観測:(ア)防災研究所峰山観測室での磁場観測(フラックスゲート、プロトン、誘導型)継続 (イ)信楽MUレーダー観測所での新磁力計テスト(フラックスゲート) (3)INTERMAGNETデータ取得に関する諸々の実験 7.外国出張 家森 俊彦 120430-120506 グラース(フランス) エールステッド衛星科学班会議(OLST)出席 亀井 豊永 120902-120910 デンバー(米国) 国立海洋局(NOAA)資料センターにて共同研究打ち合 わせ 家森 俊彦 121105-121110 アッシュビル(米国) 世界資料センター会議出席 家森 俊彦 121112-121118 北京・ウルムチ(中国) 磁力計設置、共同研究打ち合わせ 8.職員・併任教官・非常勤職員 職員 センター長 家森 俊彦 助手 亀井 豊永 助手 竹田 雅彦 事務補佐員 ヘラー典子 技術補佐員 小田木洋子 技術補佐員 飯塚 淳子 併任教官: 小山 勝二 大学院理学研究科 物理学第2教室 (075)753-3833 黒河 宏企 〃 花山天文台 (075)581-1235 尾池 和夫 〃 地球物理学教室 (075)753-3946 荒木 徹 〃 〃 (075)753-3951 町田 忍 〃 〃 (075)753-3952 非常勤講師 角村 悟(気象庁地磁気観測所 調査課長) 4.世界資料センター会議(All WDC Conference)報告 昨年11月6-8日に、米国ノースカロライナ州アッシュビルにあるNCDC(National Climate Data Center)で、 世界資料センター会議(All WDC Conference)が開かれ出席してきました。参加者は、約50名で、国際学術 連合(ICSU)WDCパネルメンバーと各WDCのディレクター等で構成され、わが国からは、パネルメンバー として荒木徹、各WDCからは、渡辺堯および五十嵐喜良の各氏と私(家森)が参加しました。米国国内か らの参加者が多いのは当然ですが、中国およびロシアからそれぞれ10名近く出席していたのが印象に残り ました。 会議の主な議題は、いわゆるIT革命の時代に、如何にWDCシステムを対応・向上させるかということ と、それに必要な資金をどこから調達するかということにありました。また、古いデータで朽ちつつあるも の、離散・消散しつつあるデータをどのようにすべきかというdata resqueも話題に上がりました。実際、 巨大なNCDCの地下室には、膨大な量の紙に記録された米国の気象観測データが整理保管されているのを 見学し、data resqueの必要性とその困難を実感しました。 当地磁気センターでも、数千本のマイクロフィルムに記録された地磁気観測データを保有していますが、 ディジタル計算機の時代になり、それらの利用者はごくわずかになっています。地球物理学的データは基本 的には全て保管することが重要であるとはいえ、利用者がほとんど無い状況のままで今後も保管し続けるこ とは、合理化の流れの中でますます困難になるであろうと予想されます。その危機を少しでも回避すべく、 当センターでは一昨年から科学研究費(データベース)を用いて少しずつマイクロ画像のディジタルファイ ル化を進め、ホームページからも閲覧できるようにして、利用者の拡大と利用方法の開発を計っています(h ttp://swdcdb.kugi.kyoto-u.ac.jp/film/index.html#normal)。その関係でも、私にとって今回の会議は 大変興味のあるものでした。画像ファイルからアナログ記録されたグラフをソフトウェアで自動的にトレース して読みとった結果をインドのセンターが発表していましたが、本当かなと思うくらいうまく読みとれている ようでした。 データベースの技術的問題(検索ソフトの規格等)については、参加者間の理解度のギャップが大きく、 よく分からない話がいくつかありました。米国の参加者の間では、Z39.50という、もともと米国の図書館 の目録作成・検索利用のための開発からはじまり、一般のデータに対応できるように発展した標準規格の利 用について議論が盛り上がっていましたが、残念ながら米国人以外は蚊帳の外でした。 WDCシステムの向上と活動発展に必要な資金をどこからどのように調達するかという最も重要でかつ困 難な課題はもちろん一度の会議で答えが見つかるはずはなく、様々なチャンスを捕まえて努力するというこ とでそのまま残されましたが、一般利用者にWDCシステムをわかりやすく解説し、利用しやすくするため の共通のディレクトリを作成するスケジュールが具体的に決められ動き出したのは、WDCの今後の発展と 相互協力にとって重要な一歩であると思いました。 (家森俊彦) 5.ウルムチ観測所訪問・磁力計設置報告 当センターでは、中国地震局地球物理研究所と新彊ウィグル自治区地震局に所属するウルムチ地震観測所 と共同で地磁気観測を行うため、昨年11月12日より1週間、中国語が全くできない筆者(家森)と中国語 にすこぶる堪能な佐納康治朝日大経営学部講師が北京とウルムチを訪問し、ウルムチ観測所にフラックスゲ ート磁力計を設置して観測を開始した。 中国奥地から中央アジアにかけては、世界資料センター(WDC)を通して利用できる地磁気高時間分解 能ディジタルデータが存在しない巨大な空白地帯となっている(図1) 。この空白地帯のほぼ中央に位置す るウルムチ観測所に磁力計一式を持ち込んでディジタルデータを取得し、WDCシステムを通して提供する ことができれば様々な目的に役立ち非常に有意義であると考え、約2年前から中国地震局との交渉を開始し た。当初は、昨年夏に設置作業を行う予定であったが、装置の通関等に手間取り、既に厳冬の11月にずれ 込んでしまった。 ウルムチ観測所(IAGAコードWMQ)は地理緯度43.8、経度87.7度、海抜970mにあり、三畳紀砂岩地 層の上にある。天山山脈に接して位置し、しばしば大きな地震が付近で発生しているため、ウイグル自治区 地震局がおかれているようである。この観測所では、地震、地磁気の他、地電位や地殻の歪みの連続観測も されている。ウルムチの中心部から約10km余り西にあり、それほど人里離れたところではないが、電車は 走っていないので、電磁気的にはよい環境にある。 ウルムチは、世界で最も内陸にある都市として知られている。近くには西遊記で有名な火焔山があり、砂 漠のイメージが強いが、天山山脈に降る雪で水は豊富にあり、夏は葡萄をはじめ様々な果物が採れる。しか し冬は寒く、11月中旬でも既に平年最高気温は摂氏0度で、訪問中もどんよりと曇った空から雪が舞い降 りて、地面はカチカチに凍りついていた。観測所敷地内にも葡萄畑があるというが見あたらないので訊ねる と、葡萄の蔓は冬の間は土中に埋めてあるとのこと。近くには東洋のスイスとよばれる「天池 (竹前) 」も あり、ぜひ夏に来たかったところで、通関の遅れがうらめしい。 データは、1秒値と1分平均値を記録し、1分値は週に1-2回電子メイルで送られてくる。1秒値は、Zi pおよびMOディスクに記録し、北京と京都に1ヶ月毎に送られる予定である。スパイクノイズやシステム のハングアップ等、観測上の問題が帰国してからいくつか出てきているが、とりあえず昨年12月以降の毎 分平均値(暫定値)は地磁気センターのホームページからプロットできる(http://swdcdb.kugi.kyoto-u.ac.jp/ mdplt/index.html)。 なお、当計画は、学術振興会科学研究補助金(11694072)と日本宇宙フォーラム「宇宙環境利用に関する地 上公募研究」の一環として遂行された。 (家森俊彦)