News and Announcements [in Japanese]
地磁気センターニュース


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 地磁気世界資料解析センター News No.91 2005年5月31日
 
 
1.新着地磁気データ
 
    前回ニュース(2005年3月30日発行, No.90)以降入手、または、当センターで入力したデータの
うち、主なものは以下のとおりです。オンライン利用データの詳細は
(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/catmap/index-j.html) を、観測所名の省略記号等については、観測所カ
タログ(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/catmap/obs-j.html) をご参照ください。
また、先週の新着オンライン利用可データは、
 
  (http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/wdc/onnew/onnew-j.html)で御覧になれ、2ヶ月前までさかのぼること
 もできます。
 
      Newly Arrived Data
 
        (1)Annual Reports and etc.
 
      SQD, QUJ, HAN, NUR (Mar - Aug.., 2005), NUK (Feb. - Mar., 2005), SQD (2003),
      NGK (Mar. - Apr., 2005)
 
 
2.Dst指数、AE指数とASY/SYM指数
 
    Quick Look Dst指数(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/dstdir/dst1/quick.html) 、および Quick Look AE
指数 (http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/aedir/ae/quick.html) は1日以内の遅れで当センターのホームページ
から利用できます。また、2005年2月〜2005年4月分の1分値ASY/SYM指数を算出しホームページに載せ
ました (http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/aeasy/index-j.html)。
 
 
3.Provisional Geomagnetic Data Plots について
 
  世界各地で測定された地磁気1分値データをプロットしたProvisional Geomagnetic Data Plotの2005年
4月までのポストスクリプトファイルが利用できるようになりました。図の形式は2日分が1画面です。
(ftp://swdcftp.kugi.kyoto-u.ac.jp/data/pplot)。
 
 
4.タイ・ピマーイ(Phimai)観測所における磁場観測について
 
  昨年10月より、京都大学21世紀COEプログラム『活地球圏の変動解明』(代表・余田成男教授)
に関連してチュラロンコーン大学理学部との間に交わした協定書に基づき、その共同研究の一環として、
タイ東北部に位置するピマーイ(Phimai,北緯15.2度, 東経102.6度)で磁場観測を開始しましたのでその
概要を報告します。
 この新しい観測所は、人工降雨局(Royal Rain Making)の施設に隣接した約200m四方の敷地にあり、
2階建ての観測棟には、レーザーにより大気中のエアロゾルを測定する装置や、建物の横には風速などの
高さ分布を測定するウインドプロファイラ、空および地表からの放射量を測定する放射計など様々な気象
観測装置が設置されています。敷地の北西約4分の1は、ノイズを避けるため、地磁気観測専用になって
います。京都大学から持ち込んだフラックスゲート磁力計2台(島津製および千葉電子製)は、センサー
を観測棟から
約70-80m離れた場所に設置し、そこから直径約10cmのエスロンパイプに通したケーブルを観測棟に引き
込んでいます。また、GPS受信アンテナは観測棟屋上に固定され、磁場測定装置本体及びデータロガー・
通信用PC等は空調の効いた2階に置かれています。近々、プロトン磁力計も設置する予定です。(実は
4月に一旦持ち込んだのですが、不具合があり現在改修中です。また、フラックスゲート磁力計の1台も、
雷の影響で故障し、修理の上6月に再設置の予定です。)
 
 
  

<写真の説明>   ピマーイ観測所。 手前4つの小さな小屋および柱は、地磁気観測用のセンサーハウスおよび絶対観測用の台。いずれも 鉄材を一切使わないコンクリート製。奥の2階建てビルは、新観測棟。    地磁気およびGPS観測データは、毎秒値がPCのハードディスクに記録されると共に、1時間毎に他の 気象観測データと共にチュラロンコン大学に送信され、さらにインターネット経由で京都に転送されます。 データの送信システムは、次のような構成になっています。

 磁力計からのデータは地磁気データロガーに記録され、Windowsのファイル・プリンタ共有プロトコル であるSMB(Server Message Block)を用いて、NAS(Network Attached Storage)にデータを1時間ごとに書 き込まれ、GPSデータは、センサーから得られたデータをまずGPSデータロガーに記録し、地磁気データと 同様にSMBプロトコルによってNASに書き込んでいます。 NASには地磁気データとGPSデータおよび各種気象観測データのデータベースが作成されることになります。 1日の観測により生じるデータサイズはかなりの量ですが、今回導入したNASの容量は160GBなので、データ を長期間蓄積するのに問題はありません。磁場のデータは下記URLで準リアルタイム表示を行っています。 http://kagi.coe21.kyoto-u.ac.jp/phimai/ (但し、この記事を書く直前に何らかのトラブルで送信がストップしたもようです。6月中旬に現地を 訪れる予定ですので、それまでお待ちください。)  なお、観測データからは既にスマトラ沖地震に関連すると考えられる変動をはじめ、興味深い結果が 得られていますので、それらについては絶対観測結果等も合わせ、次回以降掲載させていただく予定です。 [謝辞] 地磁気観測装置の設置およびデータ転送システムの構築・運用にあたりましては、チュラロン コーン大学理学部地質学教室の橋爪道郎教授をはじめ、スタッフ・大学院生の方々、サイテックの中西 裕治氏、隣接する王立人工降雨局観測所、および、東京大学気候システム研究センター・中島映至教授 はじめ、気象観測関係者にたいへんお世話になっています。                        家森俊彦・能勢正仁(地磁気世界資料解析センター) 5.地磁気センタースタッフ及び運営協議会委員 (2005年5月現在) 専任教官・補佐員        運営協議会委員   センター長/教授 家森 俊彦      家森俊彦 (京都大学大学院理学研究科/ センター長)   助手       亀井 豊永 小山 勝二 ( 〃 / 物理学・宇宙物理学専攻・教授)    竹田 雅彦     町田 忍  ( 〃 / 地球惑星科学専攻・教授 ) 能勢 正仁 黒河 宏企 ( 〃 / 付属天文台・教授)   事務補佐員    武内 典子      田中 良和 ( 〃 / 付属地球熱学研究施設・教授   技術補佐員    小田木 洋子     北村 雅夫( 〃 / 理学研究科長 )            八木 美樹   COE研究員    Heather McCreadie   非常勤講師    藤 浩明(富山大学 理学部)               6.当センターがサービスしているアナログデータ(画像データ)の一覧 当センターがホームページでサービスしているマグネトグラム等アナログデータ (http://swdcft49.kugi.kyoto-u.ac.jp/film/index-j.html) の一覧 (http://swdcft49.kugi.kyoto-u.ac.jp/film/TIF_FileList.html) を次頁に示します。 通常の地磁気アナログデータ (ノーマルランマグネトグラム) の他に早回し記録 (ラピッドランマグネト グラム) や地電流記録 (テルリグラム) も含まれています。 テルリグラムについての概説は http://swdcft49.kugi.kyoto-u.ac.jp/film/telluriexp-j.html にあります。