News and Announcements [in Japanese]
地磁気センターニュース
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地磁気世界資料解析センター News No.98 2006年7月31日
1.新着地磁気データ
前回ニュース(2006年5月31日発行, No.97)以降入手、または、当センターで入力したデータのうち、
主なものは以下のとおりです。オンライン利用データの詳細は
(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/catmap/index-j.html) を、観測所名の省略記号等については、観測所カタログ
(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/catmap/obs-j.html) をご参照ください。
また、先週の新着オンライン利用可データは、
(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/wdc/onnew/onnew-j.html)で御覧になれ、2ヶ月前までさかのぼることもできます。
Newly Arrived Data
(1)Annual Reports and etc.
AAE, AMS, BNG, CLF, CZT, DRV, KOU, LZH, MBO, PAF, PHV
PPT, QSB, TAM, TAN (2002 - 2003)
ABG, ETT, HYB, KOD, NGP, PND, SAB, SIL, TIP, UJJ, VSK (2000 - 2001)
NGK (May - Jun., 2006)
(2)Kp index: (http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/kp/index-j.html)
May - Jun., 2006
2.Dst指数、AE指数とASY/SYM指数
2005年9月〜2006年4月までのDST指数 (Provosional) を算出し、関係機関に配布しました。なお、
Quick Look Dst指数(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/dstdir/dst1/quick.html) 、および Quick Look AE指数
(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/aedir/ae/quick.html) は1日以内の遅れで当センターのホームページから
利用できます。また、2006年5月分までの1分値ASY/SYM指数を算出し、ホームページに載せました
(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/aeasy/index-j.html)。
3.Provisional Geomagnetic Data Plots について
世界各地で測定された地磁気1分値データをプロットしたProvisional Geomagnetic Data Plotの2006年3月
までのポストスクリプトファイルが利用できるようになりました。図の形式は2日分が1画面です。
(ftp://swdcftp.kugi.kyoto-u.ac.jp/data/pplot)。
4. 第12回地磁気観測国際ワークショップ(Belsk, Poland)に参加して
ワルシャワ (ポーランド) から南に約50kmに位置するベルスク (Belsk) の地磁気観測所で6月19日から24日
まで開催された第12回地磁気観測国際ワークショップ (XIIth IAGA Workshop on Geomagnetic Observatory
Instruments, Data Acquisition and Processing) に参加してきましたので、その概要を報告します。
この会議は2年に一度、世界各地の地磁気観測所の持ち回りで開催されるIAGA (地球電磁気超高層物理学協会)の
ワークショップで、前回は2004年11月に柿岡地磁気観測所で開催された。世界各地から観測装置を持ち寄って比較する
原義に近い意味でのworkshopというのが、国際会議としては他にあまり類を見ない特徴で、今回も、前回同様、前半は
磁力計の相互比較とトレーニングを中心とする測器セッションで、後半は観測装置やデータ解析結果についての研究
発表を
中心とする科学セッションから構成されていた。私は諸般の事情により、前半の測器セッションの最終日に観測所を訪問し、
後半の科学セッションにのみ参加した。参加者は総勢80−90名程度で、測器セッションには、我が国から柿岡地磁気観測所
の大川主任研究官が参加されていた。ポーランドまでの旅費の問題があるとはいえ、我が国から測器セッションにただ1人
というのは少ないという気がした。
図1 測器セッション実習風景
ベルスク観測所は比較的こぢんまりとした観測所で、周囲は林と農牧地に囲まれている。環境的には恵まれている
ように思えるが、観測小屋が、たまにしか車が通らないとはいえ、道路からそれ程離れておらず、我々の乗った大型バス
はおそらく1nT以上の影響を与えたと思われる。地磁気観測の他、太陽放射光の観測なども行っているとのことであった。
私が訪れた日の夕方、バーベキューパーティが観測所の敷地内で開かれ、ソーセージとビールを堪能した。
図2 観測所構内でのバーベキュー
サイエンスセッションは、6月22日から24日まで、近くのホテルで開かれた。今回聴いた講演で興味深かったのは、
レーザーと静電モーターを用いた地磁気偏角・伏角の自動測定装置の開発に関するもので、かなり実用段階に近づき
つつあるように感じられた。また、カナダの有名な某磁力計メーカーの社長自らが、地震前兆現象の有無の検証のために、
高感度の磁力計を使ってメキシコで観測を始めたという話も印象に残った。ちなみに、京都からは、"Construction and
Use of a Database for Observatory Analogue Records and Documents" (by T. Iyemori, M. Nose , Y. Odagi ,
J. Matzka , H. McCreadie , M. Takeda and T. Kamei ) というタイトルで、アナログ観測記録のディジタル化とその利用例
の話をした。また、国際ディジタル地球年 (eGY: electronic Geophysical Year, 2007-2008,
http://swdcft49.kugi.kyoto-u.ac.jp/egy/ )の関連で、"virtual observatory" について議論するセッションがあったので、
前回の地磁気センターニュースで紹介したGoogle Earthを利用した地磁気観測所の表示について、飛び入りで話をさせて
いただいた。ポーランドの田舎のホテルではあるが、講演会場で無線LANを通しインターネットに接続できたので、Google
Earthのデモンストレーションもすることができた。我が国の講演会場で無線LANを通しインターネットに直接自由に接続
できる場所は未だ希ですが、今後、会議主催者はそれを用意することを心がけるべきであると思った。
このワークショップのあと、26日(月)からはIntermagnetの会議がワルシャワ市内で開かれた。私自身は参加しなかったが、
当地磁気センターからは能勢正仁助手が参加した。私は帰りのフライトの関係で、日曜日は丸一日時間があったので、
前日ワルシャワに到着した能勢助手とワルシャワ市内観光を楽しんだ。
ワルシャワは、第二次世界大戦でナチスドイツに対し一斉蜂起した数十万人の市民が、川の対岸まで攻めてきていた
スターリンの軍隊に見殺しにされ、ドイツ軍に徹底的に破壊された。しかし戦後、残された写真などを元に、できる限り
元どおりに再建したとのことで、そのすばらしい出来映えは、(再建されたものであることを) 知らなきゃ良かった・・・でした。
図3 旧市街にある広場。がれきから再建したとは思えない出来映え。
なお、次回は2008年に米国コロラド州Boulderで開催される予定。
(家森俊彦・IAGA 第5部会長)
5. 2006年前半のkp指数図表
2006年1-6月のKp指数図表 (Bartels musical diagram) を下に示します。オリジナルは
ftp://ftp.gfz-potsdam.de/pub/home/obs/kp-ap/music/ の下にあります。
Kp指数の数値 (1932年以降) 、及び1990年以降のKp指数図表は
(http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/kp/index-j.html) からご利用になれます。 数値データの取得は一度に10年分まで
可能で、最新のKp指数は原則として翌月半ばには利用可能となります。
2006年前半のKp指数