News and Announcements [in Japanese]
地磁気センターニュース
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地磁気世界資料解析センター News No.129 2011年9月30日
1.新着地磁気データ
前回ニュース(2011年7月29日発行, No.128)以降入手、または、当センターで入力したデータの
うち、オンラインデータ以外の主なものは以下のとおりです。
オンライン利用データの詳細は (http://wdc.kugi.kyoto-u.ac.jp/catmap/index-j.html) を、観測所名の省略
記号等については、観測所カタログ (http://wdc.kugi.kyoto-u.ac.jp/catmap/obs-j.html) をご参照ください。
また、先週の新着オンライン利用可データは、(http://wdc.kugi.kyoto-u.ac.jp/wdc/onnew/onnew-j.html)で
御覧になれ、ほぼ2ヶ月前までさかのぼることもできます。
Newly Arrived Data
(1)Annual Reports and etc.(off-line)
NGK (Jul. - Aug., 2011), Indian obs. 2008 (TIR, PND, HYB, VSK, ABG, NGP, SIL, JAI, SAB)
(2)Kp index: (http://wdc.kugi.kyoto-u.ac.jp/kp/index-j.html)
Jul.- Aug., 2011
2.AE指数とASY/SYM指数
2011年8月分までの1分値ASY/SYM指数を算出し、ホームページに載せました
(http://wdc.kugi.kyoto-u.ac.jp/aeasy/index-j.html)。
3.第1回ICSU世界データシステム会議報告
"The 1st ICSU World Data System Conference - Global Data for Global Science"は、京都大学
で2011年9月3日から6日にかけて開催され、台風の襲来による予定変更にもかかわらず、成功裏に無事
終了しました。
<集合写真>
この会議は、ICSU(国際科学会議)WDS科学委員会、ICSU/WDS事務局(WDS-IPO)と日本学術会議および
京都大学理学研究科が主催し、情報通信研究機構(NICT)、名古屋大学太陽地球環境研究所、京都大学
防災研究所、京都大学生存圏研究所、国立極地研究所からの人的および予算的支援、さらにはICSUや
日本万国博記念協会からの資金援助の下に実施されました。主催団体の一つとして、参加者の皆さまも
含め、深く感謝いたします。また、学生諸氏には、会場の設営やセッションのマイク係、空港への送迎
などで活躍していただきました。
<オープニングでの吉川潔副学長の挨拶> < バンケットで懇談する山極寿一理学研究科長(左端)>
東日本大震災やそれに続く原子力発電所の事故で、当初は開催自体をあきらめかけましたが、結果的
には震災前の予想を上回り、22ヶ国から国内参加者86名を含む155名が参加しました。この会議の参加
者は、2008年秋に改組が決定され、新たな世界データシステムの一員として活動を継続する旧WDC
(World Data Center) 関係者や、旧WDC組織には所属していなかった、様々な分野のデータセンター関係
者、自然科学から社会科学および情報技術分野のデータに関わる研究者や技術者、およびデータ出版関
係者などから構成されました。
今回の会議の特長の一つは、2011年東北地方太平洋沖地震と、それに伴う津波および福島第一原子
力発電所事故からわずか6ヶ月後に開催されるという特殊な事情に鑑み、ICSUが関与する災害リスク
統合研究計画(IRDR)および京都大学防災研究所の協力で、災害データに関するセッションが設けられ
たことです。参加者が当初予想を大きく上回った理由の一つは、このためであると考えられます。
<講演会場の様子>
記録的な豪雨により、紀伊半島の山間部を中心
に大きな災害をもたらした鈍足・迷走台風12号
が9月3日に西日本を横断したため、3日のセッ
ションを取りやめ、その日に予定されていた講演
のうち、招待講演を除く口頭発表は、急遽発表ス
ライドを18枚に絞っていただき、各論文を長尺
紙3枚にカラー印刷し、ポスターセッションで発
表していただくことにしました。
幸い、大部分の方には快く受け入れていただき
ましたが、ご来賓を含め、参加者の皆様に大変ご
迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。
その結果、23件の招待講演、36件の一般講演、70件以上のポスター発表と5件のブース展示により、
今まさに誕生しつつある世界データシステム(WDS)のコミュニティが学術的に協力し、その場で建設
的な意見とアイデアを交換する場を提供することができました。講演・ポスターだけではなく、最終日
のオープンフォーラムにおいては、WDS科学委員会に対し、参加者から多くの重要な意見が述べられま
した。
会議のまとめとして、下記の諸点が参加者の共通認識として文書化されました。以下は、その和訳です。
< バンケットのアトラクション>
当初3日に予定したアイスブレーカーは4日の夕刻に
開きましたので、5日夜のバンケットと2日連続の懇親
会となり、和やかな雰囲気の下での会話は、京都の伝統
芸能と共に、相互の理解を深めるのにたいへん役立ちま
した。
会議のプロシーディングスは、CODATAが出版してい
るData Science Journal誌
(http://www.codata.org/dsj/index.html)の特集号とし
て出版される予定です。会議の成果等についてのより詳
細は、会議のホームページ(http://wds-kyoto-2011.org/)
に今後掲示される予定ですので、ご参照願います。また、
全部ではありませんが、講演のスライドも上記ホームペ
ージから公開されています。
4.ロシア北極南極研究所 (AARI) と協力協定を締結
太陽地球系物理学および宇宙天気研究推進における国際協同の重要性、とりわけ、オーロラジェツト電
流 (AE) 指数の迅速な算出と国際社会への配布の重要性に鑑み、京都大学大学院理学研究科附属地磁気世界
資料解析センターとロシア北極南極研究所は、リアルタイム極域国際共同地磁気データ収集計画 (RapidMag)
の実施に協力することを合意しました。RapidMag計画は、当センターとAARI, 情報通信研究機構 (NICT) およ
びジョンスホプキンス大学Applied Physics Laboratory (JHU/APL) の4者による国際協同研究計画で、ロシア
のシベリア北極海沿岸に位置する4ヶ所の地磁気観測所からリアルタイムで地磁気観測データを京都大学まで
転送し、北極海を取り巻く他の8ヶ所の地磁気観測データと合わせて、AE指数をリアルタイムで算出し、各国
の宇宙機関などに提供し、人工衛星のオペレーションや、宇宙天気研究をはじめとする宇宙空間現象の研究
と教育に役立てることを目的としています。
写真は、この協定内容について協議・交渉するために、6月4日から9日にかけて、ロシアのサンクトペ
テルブルグにあるAARIを訪問したときの様子です。
<4組織からの参加者>
AE指数の現況は、
http://wdc.kugi.kyoto-u.ac.jp/ae_realtime/presentmonth/index-j.html から参照できます。