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★地磁気センターニュース No.36/1996年3月25日★ 1.新着地磁気データ 前回ニュース(1996年1月26日発行,No.35)以降入手、または、当センターで入力したデータの 内、主なものは以下のとおりです。(観測所名の省略記号等については、データカタログまたはデ ータベース'GEOMAG'をご参照ください。) Newly Arrived Data (1)Analogue Data Normal-run Magnetograms: Sodankyla(Dec,1995), Nurmijarvi(Dec,1995), Memambetsu,Kakioka,Kanoya(Oct-Dec,1995), Wingst(Apr-Jun,1995) Danish Obs.(BFE,NAQ,GDH,THL;Aug-Dec,1995) Rapid-run Magnetograms: Wingst(Apr-Jun,1995) Annual Reports and etc.: Niemegk(Nov-Dec,1995), Finish Obs.(SOD,NUR,HAN,OUJ;Jan,1996) Toledo,Las-Mesas(1993), San-Fernando(1994), L'Aquila(1994) Sheshan(1990-91), Kanozan,Mizusawa,Esashi(1994) (2)Digital Data Geomagnetic Hourly Values: Lunping(Jan-Feb,1996), Tashikent(1972-80) Kakioka,Memambetsu,Kanoya(Jan-Feb,1996) Trivandram(1971-72) Geomagnetic 1 Minute Values: Kakioka,Memambetsu,Kanoya(Jan-Feb,1996), Lunping(Jan-Feb,1996) Hatizyo(Dec,1995;Jan,1996), Leirvogur(Oct,1995-Jan,1996) Hermanus(Nov-Dec,1995;Jan-Feb,1996) Geomagnetic 1 Second Values: Kakioka(Jan-Feb,1996) (3)Kp Index Kp-Index Table (Jan-Feb,1996) なおデータの注文等は、当センター宛、書面またはFAXにてお願いいたします。 2.一時間値Dst指数の算出と配布 1995年10月から12月までのDst指数(Provisional)を算出し、関係機関に配布いたし ました。ご希望の方は、郵便またはファクシミリにて、京都大学理学部地磁気世界資料解析センタ ーまでお申し込み下さい。 3.オンラインデータベースの更新 京都大学大型計算機に構築し、N1ネットワークを通して公開サービスしておりますデータベ ースGEOMAGのデータテーブルのうち、地磁気観測データの収集状況を納めたSDTテーブル および観測所情報を収納したSTATテーブルは、3月20日段階での情報に更新されました。ま た、Kp指数や太陽黒点数等を収納したDSTKPテーブルには、1995年8月−12月のデー タを追加しました。Provisional Dst指数につきましてはこのデータベースには入力されておりま せんので、当センターミニコン上のデータベース’WDC−GEOMAG’(IP address: 130.54 59.254, USERNAME: wdcguest, PASSWORD: stepuser)をご利用ください。 ポストスクリプトファイルによるProvisional Geomagnetic Data Plots (January-December,19 95) およびMid-latitude Geomagnetic Indices ASY/SYM(Jan-Dec,1995)の画像データも、当センタ ーのデータベース(WDC-GEOMAG)に追加しました。図の形式は印刷物と同じく2日分が1画面になっ ています。これは、当センターのWWWサーバーからも利用できます。 4.中緯度1分値地磁気擾乱指数'ASY','SYM' No.6(1995)の算出と配布 中緯度(6観測点)で測定された地磁気1分値データを用いた地磁気非対称擾乱指数(ASY) と対称擾乱指数(SYM)の暫定値を算出し、出版しました。期間は1995年1月から12月ま でです。詳しい内容につきましては、当ニュースNo.13(1992年5月26日)をご参照願います。 新たに配布ご希望のかたは、当センターまで書面またはFAXにてお申込ください。 5.Provisional Geomagnetic Data Plots No.13 (Julu-December,1995) の印刷と配布 世界各地で測定された地磁気1分値データをプロットした 'Provisional Geomagnetic Data Pl ot No.9' を印刷し、配布致しました。期間は1995年7月から12月までです。新たに配布希 望の方は、郵便またはファクシミリにて、京都大学理学部地磁気世界資料解析センターまでお申し 込み下さい。 また、ポストスクリプトファイルによる画像データも、当センターのデータベースに追加しました 図の形式は印刷物と同じく2日分が1画面になっています。 6.海洋底での電磁場観測データ 東京大学海洋研究所が伊豆小笠原付近の海底で1986年から1992年にかけて行った磁場お よび電場観測データが当センターにも提供され公開することになりました。藤浩明氏による、デー タについてのごく簡単な説明および観測期間の表を当センターのanonymous FTPディレクトリ に置 きました。(IP: 130.54.59.253, User: anonymous, Directory: ./data/ocean/ori, File name : format.doc) 下図1に、観測地点が示されています。より詳しくは、藤浩明氏および瀬川爾朗 氏によります報告(参照論文1)をご覧下さい。数が限られますが、当センターにも別刷りをいた だいております。 【参照論文1】 Toh, H. and J. Segawa, Anomalies of geomagnetic and geoelectric variations at the seafloor around the Izu-Ogasawara arc, Bull. Ocean Res. Inst. Univ. Tokyo, No 32, pp.368, 1995. 図1.海底観測点の位置と観測データから求められた誘導ベクトル(参照論文1より) 7.サブストームのリアルタイム検出と通報 磁気圏サブストームの開始とPi2型地磁気脈動の発生によい対応関係のあることが知られてい る (e.g., Rostoker et al., 1980)。特に、中緯度帯で経度方向に3ヶ所程度観測点があるとほぼ 全てのサブストーム開始に対応するPi2型脈動が検出できると考えられている(Saito,1976)。こ のことを利用して、当センターが中心となって、米国SEL等と共同で、サブストームの開始をリ アルタイム検出する計画を進めている。今年1月からは、京都大学防災研究所地震予知研究センタ ーと共同で行っている、京都府中郡峰山町での磁場観測データを用いて、Pi2型脈動の現地自動 検出と結果のリアルタイム送信実験を開始した。用いている磁場観測データは、3軸フラックスゲ ート型磁力計による1秒サンプリング値で、現地に置いたパーソナルコンピュータにUNIXシス テムをのせ、収録・検出・送信を行っている。検出に用いているソフトウェアは、京都大学大学院 理学研究科学生・能勢正仁氏がウエーブレット解析の手法を用いて開発した(Nose et al., 1996)。 Pi2型脈動のリアルタイム検出は、郵政省通信総合研究所等が進めている『宇宙天気予報』計画 だけではなく、MT(Magneto-Terulic)法による地殻の電気伝導度のリアルタイムモニター等にも 応用できると考えられる。まだ試験段階ではあるが、峰山で検出したPi2脈動の発生時刻と地磁 気観測1分値を1日1画面にプロットした図および各Pi2脈動の1秒値プロットは、当センター のANONYMOUS FTPからポストスクリプトファイルの形で見ることができる。近日中にWWWホーム ページからも見ることが出来るようにする予定である。例として、図2に3月13日の1分値デー タを示す。図3には、検出後に送信してくる脈動付近の1秒値データを示す。また、以下にホーム ページおよびANONYMOUS FTPのアドレスを示す。なお、現時点では峰山観測点のみであり、アメリ カおよびヨーロッパ帯での検出が始まるまでは、検出の見落としが数多く存在するので注意された い。また、午前6時付近から昼間にかけての時間帯では、Pc型脈動をPi2型としている場合が かなりあると予想されるので注意が必要である。 WWW: http://swdcdb.kugi.kyoto-u.ac.jp/ ANONYMOUS FTP: IP: 130.54.59.253 USER: anonymous DIRECTORY: ./data/mineps/yymm (ex. ftp> cd ./data/mineps/9603 ) ファイル名: yymmdd.ps (ex. 960313.ps) --- 1分値プロット yymmdd_20m.ps (ex. 960313_20m.ps) --- 1秒値プロット 図2.3月13日のPi2脈動検出時刻 図3.検出された脈動の1秒値によるプロット(一部分) 【参照文献】 Nose, M., T. Iyemori, H.J. Singer, E.W. Worthington and D.K. Milling, Nowcasting of sub- storm onsets by detecting Pi2 pulsations using wavelet analysis, in Proceedings of Solar-Terrestrial Predictions Workshop '96, in press. Rostoker, G., S.-I. Akasofu, J. Foster, R.A. Greenwald, Y. Kamide, K. Kawasaki, A.T.Y Lui, R.L. McPherron and C.T. Russell, Magnetospheric substorms - definitions and signatures, J. Geophys. Res., 85, 1663, 1980. Saito, T., K. Yumoto and Y. Koyama, Magnetic pulsation Pi2 as a sensitive indicator of magnetospheric substorm, Planet. Space Sci., 24, 1025, 1976.