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★地磁気センターニュース No.37/1996年5月31日発行★ 1.新着地磁気データ 前回ニュース(1996年3月22日発行,No.36)以降入手、または、当センターで入力したデータの 内、主なものは以下のとおりです。(観測所名の省略記号等については、データカタログまたはデ ータベース'GEOMAG'をご参照ください。) Newly Arrived Data (1)Analogue Data Normal-run Magnetograms: Abisko(1990), Lovo(1993-94) Memambetsu,Kanoya(Jan-Mar,1996) Irkutsk(Jan-Sep,1995), Ekaterinburg(=Sverdlovsk; Jan-Jun,1995) Magadan(1994), Novosibirsk(Sep,1994-Jun,1995) Annual Reports and etc.: Niemegk(Jan, 1996), Finnish Obs.(HAN,NUR,OUJ,SOD; Feb-Mar,1996) Syowa Station(1993,94), Misallat(1992), Fredericksburg(Apr, 1996) Dourbes(1993) (2)Digital Data Geomagnetic Hourly Values: Lunping(Mar-Apr,1996), Niemegk(1995) Indian Obs.(ABG,ANN,TRD,UJJ;1991) Kakioka,Memambetsu,Kanoya(Mar-Apr,1996), French Obs.(AMS,PAF,CZT,DRV;1995) Honolulu(May-Dec,1976; Jan-Dec,1977; Jan-Jun,Dec,1978) Geomagnetic 1 Minute Values: Kakioka,Memambetsu,Kanoya(Mar-Apr,1996), Lunping(Mar-Apr,1996) Hatizyo(Mar-Apr,1996), French Obs.(AMS,PAF,CZT,DRV;1995) Hermanus(Mar-Apr,1996),Valentia(Jan-Mar,1996) Geomagnetic 1 Second Values: Kakioka(Mar-Apr,1996) (3)Kp Index Kp-Index Table (Mar-Apr,1996) なおデータの注文等は、当センター宛、書面またはFAXにてお願いいたします。 2.一時間値Dst指数の算出と配布 1996年1月から3月までのDst指数(Provisional)を算出し、関係機関に配布いたしまし た。ご希望の方は、郵便またはファクシミリにて、京都大学理学部地磁気世界資料解析センターま でお申し込み下さい。 3.WWWによるリアルタイムデータサービスの追加 京都府中郡峰山町での磁場観測データを用いた、Pi2型脈動の現地自動検出と結果のリアルタ イム送信(地磁気センターニュースNo.36)と、信楽MUレーダーサイトで行っています地磁 気1秒値のリアルタイム観測データのプロットを当センターのホームページに追加しました。図は 5分毎に自動更新されます。峰山で検出したPi2脈動の発生時刻と地磁気観測1分値を1日1画 面にプロットした図および各Pi2脈動の1秒値プロットは、当センターのANONYMOUS FTPからも ポストスクリプトファイルの形で見ることができる。以下にホームページおよびANONYMOUS FTPの アドレスを示す。なお、現時点では峰山観測点のみであり、アメリカおよびヨーロッパ帯での検出 が始まるまでは、検出の見落としが数多く存在するので注意されたい。また、午前6時付近から昼 間にかけての時間帯では、Pc型脈動をPi2型としている場合がかなりあると予想されるので注 意が必要である。 WWW: http://swdcdb.kugi.kyoto-u.ac.jp/ ANONYMOUS FTP: IP: 130.54.59.253 USER: anonymous DIRECTORY: ./data/mineps/yymm (ex. ftp> cd ./data/mineps/9603) ファイル名: yymmdd.ps (ex. 960313.ps) --- 1分値プロット yymmdd_20m.ps (ex. 960313_20m.ps) --- 1秒値プロット 4.ティクシーからのデータ送信 3月10日から25日まで、当センターの亀井豊永助手と大学院学生(M2)の今吉英司君が、 ロシアのティクシー観測所(71.58N, 129.00E)を訪問し、そこにあらかじめ設置されていたINTE RMAGNET送信機から日本の気象衛星「ひまわり」も向けての送信開始に成功した。データは気象庁 から通信総合研究所を経由して順調に送られている。(図1)より詳しい報告は、のちほど掲載す る予定です。 5.ロシア訪問記 「三度目の正直」淡い期待を持ってメトロに乗りこんだ。モスクワの地下鉄(メトロ)はそれ ぞれの駅に趣向がこらしてあり、車窓から眺める駅の様子はまるで博物館のようである。バスに 乗り継いで合計二時間。三往復もするとさすがに疲れる。やっとの思いでブヌコボ空港に着いて 掲示板を見上げると。。。 ティクシー行きの便は「未定」である。 なんでも、ティクシー空港でストライキをやっていたのだそうだ。ティクシーの人の話ではも うストは終わっていると聞いていたのだが航空会社にはまだ情報が入っていないらしい。いやな 予感がしたが、案の定「未定」が「延期」となった。 これでもう3度目である。この便は欠航になって来週まで飛ばないのではないか?ここまで来 てこのまま日本に帰らなければならないのか?などと不安になっていたが、翌日やっとモスクワ を出発することができた。モスクワ市内を眼下に見おろし、一通り観光のおさらいをして雲の上 へあがっていった。 ティクシーに降り立つと、やはりそこは寒かった。手袋をせずに外にいると10分位で指が動か なくなり15分程で感覚がなくなってくる。このときのために新しく買ったスキーウェアを着てい ても寒さがしみこんでくるようであった。 空港では、ロシア軍の雪上車我々の到着を待っていた。早速その車に乗り込み、海上を通って ティクシーの町へと向かう。キャタピラで轍の上を進むので揺れに揺れて、また窓がなく外が見 えないので乗り心地は決して良いとは言えないものであった、乗り物に弱い私は町に付く頃には ふらふらになってしまった。 町に着くと、早速ウォッカで歓迎された。ロシアでは缶に入ったウォッカがあること、そのほ とんどがロシア製ではないことに驚いた。予定より到着が遅くなり、悪天候の日が1日でもある とその後の予定が全部狂ってしまうという状況にあるため吹雪になることを危惧していたが、非 常に寒かったものの天気はよく、仕事も無事に終えることができた。 夜は星がとてもきれいで、さらにオーロラも見ることができた。はじめは月明かりに照らされ た雲のようなうっすらとしたものであったがだんだん明るさを増し、遠くの方から2枚のカーテ ンを広げるようにして近づいくる。ほぼ真上までくると、今度は頭上から垂れ幕がおりてくるよ うにみえる。その美しさは筆舌に尽くしがたいものであった。 肌をさすような寒さも忘れてオーロラに見とれていると、さらにその奥で流れ星が落ちるのを 見つけた。これだけのものを見せてもらったので、もう何の願い事をする余裕もなかった。 帰りはオランダ経由で帰国した。アムステルダムでは土曜日だったこともありどこのホテルも 空きがなく、ユースホステルを利用したのだが、「宿泊のしおり」に”麻薬は廊下で吸うこと” というくだりがあって驚いた。聞くと、オランダでは麻薬を吸うのことは禁じられていないらし い。 建物に入ると、いきなり若者が廊下でマリファナを吸っているのをみかけて「どきっ」とした 2段ベッドが20個ほど並んでいる大部屋に泊まったのだが、夜中の1時を過ぎまても皆帰って こず、2時ごろからばたばたとベットメイキングをする人がでてきた。隣に来た黒人は「こんな ベッドに金とるのか」といいながらベッドの上でマリファナを吸っていた。 帰国後荷物を待っていると麻薬捜査犬がやってきて私のそばで立ち止まった。やはりあの時の においが染み付いていたのだ。彼はまだ私の足元で嬉しそうにしっぽを振っている。ふと目があ ったのでわたしはできるだけやさしく微笑んだ。しかし彼はいまにもじゃれついてきそうな体勢 である。3歳の頃犬に馬乗りになられて顔じゅうを舐められたという恐ろしい体験が頭をよぎり 精一杯の笑顔もだんだんひきつってくる。「もうだめだ」 そのとき麻薬捜査官のお兄さんが「すみませんね」といって犬をたしなめた。一瞬「ほっ」と したが、冷静になってみると事態は好転していないことに気がついた。これから犬と一緒に別室 に連れていかれてパンツの中まで調べられるのでは?あぁ、こんなことなら流れ星にきちんと願 いごとをしておくんだった。